2018年7月28日未明、今年2度目となる皆既月食が起こる。
皆既月食とは?
皆既月食は、太陽からの光によってできた地球の影の中を月が通過するときに見られる現象だ。 つまり、太陽-地球-月が一直線にならんだ時に見られるものなので、つねに月は満月ということになる。 「上弦の月の月食」とか「三日月の月食」というのは絶対におきない。
さて、地球の影には大きく2つの種類がある。 一つは「本影」と呼ばれる影で、太陽からの光全く届かない部分だ。 本影の部分から見ると、太陽は地球によって完全に隠されてしまっている。 もう一つは「半影」と呼ばれる影で、本影の外側に大きく拡がった部分だ。 ここは太陽の光の一部が届く部分で、ここから見ると太陽の一部が地球からはみだして、部分日食の状態に見えるはずだ。
地球の軌道と月の軌道は、一致しているわけではないので、月が満月のたびに月食がおきるようなことはない。また、本影と月の経路も一様ではなく、ときには月の一部が本影をかすめたり(部分月食という)、月全体が本影にすっぽりつつまれたり(皆既月食)するのだ。
皆既月食になると、月は地球の本影の中に入ってしまうが、完全に暗くなってしまうわけではなく、わずかに赤味をおびて見える。 これは、地球の大気層を通過した赤い光が月面をわずかに照らすためだ。
皆既月食と火星の共演
満月が地球の影に隠れる「皆既月食」が28日未明から早朝にかけ、北海道を除く国内のほとんどの地域で起こる。
今週末にかけ台風12号が日本列島に接近するが、運よく晴れた地域では、地球に最接近中の火星と月食のランデブーが見られる。
今回の皆既月食は、21世紀最長のものだと言われており、火星が接近していることから、ブラッドムーン(皆既月食)と火星の競演を見られると、世界各地で人々の夢が大きく膨らんでいる。
あらかじめ言っておこう。日本の場合、皆既月食が、最大になる瞬間は月が沈んでしまうため見られない地域が多い。
皆既月食の最大を見られるラッキー地域は、九州、四国、沖縄だ。
皆既月食の最大を見られなくてもロングランな皆既月食なので、ほかの地域でも十分に楽しめるはずだ。台風12号が来ないなら充分チャンスがある
火星も大接近
火星と地球の距離が31日午後に約5759万キロ・メートルまで近づき、15年ぶりに6000万キロ・メートルを切る大接近となる。今年初めに比べて50倍を超える明るさで赤く輝き、肉眼でもはっきり見える。また、28日未明から早朝にかけては、満月が地球の影に隠れて赤黒く輝く「皆既月食」もあり、天気が良ければ天文ショーが相次いで楽しめそうだ。